オープン・スペース2015
@ICC
結構毎年行った気になっていたけど、去年行きそびれていたらしいと行ってみて思い出した。2012と2013は観たのかな。今日はおねえさんが話しかけてくれたので、ちょっと話聞いてみたけれど、うれしかったな。やさしい学芸員さんがいるっていうことだけで素晴らしい気持ちになれる。きっとこの人は作品にもやさしいんじゃないかなって思うから。
ちょっと以前ツイッターでメディアアートについて言及した時にオープンスペースについて考えたんだけど、こういうメディアアートはこわいよな。技術が五感を脅かしている感じがこわいと感じる。いつか自分の体がテクノロジーに取って代わられてしまうような恐怖がある。だからこそ、逆にメディアアートが気になってしまうし、ついいつも展示を見に行ってしまうんだけど。今年の展示は、やっぱり気持ち悪くなるような電子音や電磁波を残しながらもそこまで怯えずに観れた。
・鉄のやつ
ビル・フォンタナ《リニア・ヴィジョンズ》
いちばん気に入ったのはこれ。こわいんですよ、これも。ただ鉄板を製造するある一瞬を見つめているだけなのにスパークする光と湯気にすさまじい恐ろしさを感じる。あ、死ぬ、って思う。もっと言うなら「戦争」の風景に見える。鳥肌立った。
Vineが普及してからエンドレスリピートする動画に慣れつつあるけれど、なんなんだろうな。繰り返し繰り返し見ることの意味って絶対何かあるはずなんだよな。
・ジャグリング
グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》
おねえさん曰くこれは常設に近いらしいのに、過去見た記憶がなかった。パラパラ漫画やゾーエトロープの原理だよね。視覚が取られた、って思った。ストロボの中で生きることはできないな〜、と思いつつもこういう環境は気付かないだけで日常に溢れているんじゃなかろうかとも思った。
・森
高谷史郎《Toposcan/Ireland 2013》
美しい。画像が繊維みたいだった。というかデジタルが進んでもアナログ、例えば精巧な織物の美しさはこうして原理として残るのかもな。
そんな感じ。今年は数は少なかったような気がするけれど、さっくりと観れてかつ充実のコスパよい展示でした。11月で展示入れ替えしていたらしいから年2で来ればいいかも。
常設で床下に近代アート史のコラージュがあるけど、年々理解できることが増えていくのがうれしいからこれからも定点観測できるといいな。今年はダダイズムからロシア構成主義あたりのグラフィックが目にぱっと飛び込んできたのでわくわくした。タトリンとかね。これも星座。