わが星
わが星を観た。何年か前に話題になっていた。
この世界は円環。
一分一秒を回して、日々を回して、地球を回して、生きている。
「世界が回った!」なんて慣用表現、どこかの界隈では日常語のようにして共通理解をもって使われるけど、あながち間違っていない。世界は一方通行に、前進する方向に、回り続けている。
そして自己と他者。
<わたし>と<あなた>は同じになれないということ。
わたしが投げかけた言葉はあなたに0.00いくつか秒後に届く。そのときあなたがまなざすわたしは、完璧に言葉を投げかけたわたしと同一ではない。リアルタイムだけど、そこにはいつも時差があって、完璧に生き写すことはできないなあ。
わたしを離れた言葉は、空中を泳いでいる。
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わたしはもともと、大きな箱の、きらびやかな世界から演劇(というよりなんと呼べばよいのだろう、ミュージカルかショー)に入った人だけど、ここまで到達するんだなと思ってそれはそれでなんだか感慨深いものがあった。
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頭の中で時報がなっている。歩む足が一定になる。一週間はこの音にとらわれる。