星座早見図

mapping of stars

第19回文化庁メディア芸術祭

@新美

 

去年も行った気になってたけど、あれはまた別だったのかな。違うものだった。

 

・Gill & Gill

映像作品(16分21秒)Louis-Jack HORTON-STEPHENS [英国]

ちょっともうフライングして書いたんですけど、これがとても良かった。Stone is dialogical. 石は対話可能だ。もはやショートフィルムであり、映画館で観たいと思ったらちゃんと六本木のTOHOでも流したらしく、納得。美しいなあ。岩に向き合う、年齢も性別も職業も違う二人が、岩を通して会話しているようにさえ見えた。碑文彫刻家のGillの彫ったフォントの溝でわたしはしあわせになれる。

 

真鍋大度について

Perfumeちゃんがエンタメ部門として展示されていた。この角度から見ると、三人は立派にアートとして成立していて、悔しい。たくさんのクリエイターの中で、クリエイターとして存在しうる。ああ、誰かの力によってアイドルの形を保っていた頃とは違うのだな。テクノロジーに飲み込まれゆく少女たちを見ていられなくなって目を伏せたことを思い出すよ。それでもやっぱり、かわいくて、好きだ。

 

やっぱり分からなさのある作品もたくさんあって、何を基準にこれは選ばれているのか首をひねってみたりした。これでこそメディアアート。全然分からなくていい、という感じがする。ちょっとあんまり時間がなかったために嫌悪感や不快感に向き合う時間はそんななかったが、マンガ部門なんかもあって参考になった。「淡島百景」の絵が好きなので、読みたい。あと、「花とアリス」まだ観てないこと思い出しましたよ。

 

想像と神秘のサグラダ・ファミリア

ガウディの、観てきた。タイミング逃し続けてやっとですよ。ざっくり抽象度高めの感想はさっくりfilmarksに投げたんですけど。filmarksの世界の狭さはどうにかしてる。インターネットとは思えない。あっち見たら友だちこっち見たら友だちですよ。まあ、それはいい。

 
ローマ法王で泣いた
たぶんかなり人とズレてるけど、ローマ法王登場のシーンで目から水が、というまさかの事態。そもそも泣く映画ではないはずなんだけど。どうもわたしは「大衆が一つの対象に喝采を送る」状況に弱い。その熱量を泣くほど愛しいと思う。宗教に限らずだけれど、この世界には一つの正解なんてものはなくて、自分が信じるものがすべてだ。「わたしはわたしの信じる神さまの話をします」という言葉が好き。
 
・石と対話する
まだ書いてないけど、この間新美のメディア展行ってきた。その中で気に入った映像作品があったのだけど、"Stone is dialogical."と言う。ああ、ストーンイズダイアロジカルなんだ。ストーン・イズ・ダイアロジカル。言葉を持った人間は、言葉を持てば持つほど強くなれるけど、言葉をもたないモノの声を聴こうと耳を傾けなければやさしくはなれない。たぶん石と対話していた彫刻家だけじゃない、ガウディも自然と対話していた。
 
・生まれ変わったら
生まれ変わったらステンドグラス職人になりたい。いや、生まれ変わらなくてもなれんのかな。でもちょっと人間7回目くらいでなるべき職業のような気もする。光と色を扱う職業、尊いなあ。
 
そんな感じでした。いい映画館だったよ。また行きます。
 
あ。「偉大なるマルグリット」のフライヤーもらってきたんだけど、これはスーベニアと同じ題材だったよね。ふと、そんなことを思い出した。どちらも迷っていたけど、行こうかな。そうしたらまたひとつ、星座。

オープン・スペース2015

@ICC

結構毎年行った気になっていたけど、去年行きそびれていたらしいと行ってみて思い出した。2012と2013は観たのかな。今日はおねえさんが話しかけてくれたので、ちょっと話聞いてみたけれど、うれしかったな。やさしい学芸員さんがいるっていうことだけで素晴らしい気持ちになれる。きっとこの人は作品にもやさしいんじゃないかなって思うから。

 

ちょっと以前ツイッターメディアアートについて言及した時にオープンスペースについて考えたんだけど、こういうメディアアートはこわいよな。技術が五感を脅かしている感じがこわいと感じる。いつか自分の体がテクノロジーに取って代わられてしまうような恐怖がある。だからこそ、逆にメディアアートが気になってしまうし、ついいつも展示を見に行ってしまうんだけど。今年の展示は、やっぱり気持ち悪くなるような電子音や電磁波を残しながらもそこまで怯えずに観れた。

・鉄のやつ

ビル・フォンタナ《リニア・ヴィジョンズ》

いちばん気に入ったのはこれ。こわいんですよ、これも。ただ鉄板を製造するある一瞬を見つめているだけなのにスパークする光と湯気にすさまじい恐ろしさを感じる。あ、死ぬ、って思う。もっと言うなら「戦争」の風景に見える。鳥肌立った。

Vineが普及してからエンドレスリピートする動画に慣れつつあるけれど、なんなんだろうな。繰り返し繰り返し見ることの意味って絶対何かあるはずなんだよな。

・ジャグリング

グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー

おねえさん曰くこれは常設に近いらしいのに、過去見た記憶がなかった。パラパラ漫画やゾーエトロープの原理だよね。視覚が取られた、って思った。ストロボの中で生きることはできないな〜、と思いつつもこういう環境は気付かないだけで日常に溢れているんじゃなかろうかとも思った。

・森

高谷史郎《Toposcan/Ireland 2013》

美しい。画像が繊維みたいだった。というかデジタルが進んでもアナログ、例えば精巧な織物の美しさはこうして原理として残るのかもな。

 

そんな感じ。今年は数は少なかったような気がするけれど、さっくりと観れてかつ充実のコスパよい展示でした。11月で展示入れ替えしていたらしいから年2で来ればいいかも。

常設で床下に近代アート史のコラージュがあるけど、年々理解できることが増えていくのがうれしいからこれからも定点観測できるといいな。今年はダダイズムからロシア構成主義あたりのグラフィックが目にぱっと飛び込んできたのでわくわくした。タトリンとかね。これも星座。

 

星座広げるって言ったでしょ

特に全く意味はないのだが、はてブもいっこ作ったで!という、やつです。ほんとうははてダを作ろうとしたんだけど、ひとつのアカウントでひとつですって言われたしブはこんなに素晴らしくっておすすめよ、ダはほんとなんにもできないから、って書いてあったから仕方なくこっち選んだ。いいじゃんね、新しく作らせてくれてもいいじゃんね。まあでもマジレスするときっと移行したいのにサーバー重くされるの勘弁なんだろうから、いっか。

 

さ、ここには何を描こう。もっとわたしの書きたいことを書きたい。どうしよっかな。わくわくする。大層じゃないことを書きますね。とても読めたものにはならないかもしれないけど、いいじゃんいいじゃん。読めそうなものだけ表に置きます。ここはわたしの星座を広げるところ。この間オトナに「いいね、今は星座をたくさん結べる年頃だね、こう、ブワーッて広がる瞬間が楽しいんだよね、映画でも学問でもなんでも、ね」と言ってもらったのがうれしくてうれしくてじゃんじゃん使っている。許可はもらった。星座、星座。広げるぞ。